江戸橋「そばよし」
2005年11月18日17:04
立ち食い蕎麦屋に行っても、生まれがフォッサマグナ以西だからか蕎麦でなくうどんを頼んでしまう私が、必ず蕎麦を食う例外的な店が二つある。そのうちの一つが、江戸橋にある「そばよし」だ。
神田川にかかる江戸橋からほど近い雑居ビルの一階にその店はある。江戸橋、と聞けば風情のある名だが、今は首都高速のジャンクションが上空で陽光を遮るからいつ行ってもどこか雰囲気が暗い。およそうまい店のある町とも思えないのだが、それでも江戸橋交差点から店の方角に歩き出すと、もう鰹のいい香りが鼻腔をくすぐるから、それだけで食欲が沸いてくるのだ。
はじめてこの店を訪れたのは、取材に出かけてたまたま日本橋界隈を歩いていた折、やはりこの香りに吸い寄せられるようにふらふらとたどり着いたからだった。今時、馬鹿正直に鰹節をふんだんに使って出汁を取っていることが、その香りだけでもよく伝わってきた。これは見逃せない店だと、食い物屋には妙に鋭敏なわが嗅覚が反応した。
化学調味料を一切使っていないつゆは、一飲、芳醇な鰹の香りが口中から鼻に抜け、麺をひと啜りして嘆息するまでのわずか数秒、実に至福のときである。元来、蕎麦をあまり好まないから、蕎麦の麺自体の味を云々できるほどの資質も蘊蓄もないのだが、たまらずにもうひと啜り。蕎麦が咀嚼されて口中で甘みを生じるころ、「返し」の利いたつゆの香気がその甘みの向こうからぴんと一本立つ。--うまい。
何だか「うどん食おう会」の幽霊会員のくせに蕎麦通みたいなことを書いているが、更級だ何だとそば一盛りで1000円札が飛んでいくような「名店」でなく、これがあくまでも立ち食い蕎麦、「かけ」なら250円で食えるというお手軽さなのだからたまらない。
鰹節をふんだんに使えるのは、この店が、鰹節問屋の直営店だからだとか。そういえば江戸橋から日本橋にかけては昆布や鰹節などの乾物を扱う問屋が多い。
卓上には、鰹節を削った際に出る粉が入った小瓶が置かれている。これをご飯にたっぷりかけて、醤油を少々垂らしていただく「猫まんま」もまた楽しみのひとつ。どれだけかけてもかけ放題、無料というのがまた嬉しい。
蕎麦食いたちに「蕎麦にご飯を食うなんて邪道」と眉を顰められても、「そばよし」にお出かけの際には、食券を買う際にライスの券も一緒に購入されることを強くお勧めしたい。
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コメント
食卓上に「ご飯のみの注文はご遠慮下さい」だったか「麺類と一緒にご注文下さい」だったかの張り紙がありましたよ。小ライスであれば大した量ではないので是非、お試しください。
あとお勧めは、千葉県産大和芋を使ったとろろと、江戸前穴子の天ぷら。おいしいですよ
素早いお返事ありがとうございます。
ライスのみの注文不可とは…どこかに張り紙でもあるんですかっ?(泣
>smile
残念ながら、ご飯だけは注文できません。。。
ちなみにここでうどんを頼むと、なぜか必ずきしめんです。人形町にも支店があるそうな
おいしい鰹節の猫ごはん…。じゅるる。
私のお腹にお蕎麦とごはんは多すぎるのですが
ライスだけ、ってわけにはいきませんよねぇ…。(苦悩