台湾好吃(2)嘉義の鶏肉飯
2006年01月24日00:06
前回の続き。1月15日の朝、圓山大飯店から台北車站までタクシーで向かって、ここから自強號(特急)で一路、台湾を縦断して南に向かう。車内には立ったままの乗客も多い。昨晩のうちに指定席を購入しておいてよかった。
嘉義の鶏肉飯
台北から嘉義まで3時間ほど電車に揺られる。この行程も、台湾新幹線が開通したら1時間ほどに短縮されるだろう。次に訪台するときには開通しているのだろうか。
嘉義站で降りたら、脇目も振らずタクシーに飛び乗り、駅から2キロ弱離れた鶏肉飯の名店「噴水鶏肉飯」へと向かう。何で噴水なんだかはよく知らないが、どうやら噴水のある公園が近くにあるようだ。しかし公園なんてものに興味はなく、とにかく頭の中は鶏肉飯のことで一杯である。
タクシーばっかり使っていると思われるかも知れないが、台北で初乗り70元(=300円少々)、地方都市の嘉義でも100元(=400円弱)と安いので、3人で旅行しているとついつい使ってしまうのだ。
話が逸れた。鶏肉飯である。鶏肉、と言っても、ニワトリの肉ではなく七面鳥の肉であり、だから正しくは火鶏肉飯(火鶏=七面鳥)。台北市内にも鶏肉飯の店の看板をいくつも見たが大抵は「嘉義火鶏肉飯」なんて書いてある。鶏肉飯の世界では「嘉義」という地名は本場感を出す格好の装飾語になっているらしい。大阪に縁もゆかりもなくてもとにかく「大阪たこ焼き」と看板にはひとまず掲げておくのに似ている。何が言いたいかと言うと、かくも鶏肉飯の世界で燦然と輝くブランド産地である嘉義まで出かけて、鶏肉飯を食わないという法はない、ということだ。
そんな嘉義にあって、地元客にも大変人気のある店が「噴水鶏肉飯」である。よく言えばオープンテラス形式、悪く言えば側面の壁を一つ取り払った豆腐屋(コンクリート打ちっ放しの床にタイル敷きの壁)みたいな店であり、店内にもテーブルと椅子が何組かあるが公道と思しき店の測道にもテーブルが並んでいる。一切中国語を理解しない俺たちは店のおばちゃんのすごい剣幕にびくつきながらも店外の席に着く。すると背後からクラクションが鳴り、原付に乗ったにーちゃんが睨んでいる。店が用意した椅子に座っただけなのに原付に撥ねられるリスクを抱えなくてはならないわけで、鶏肉飯を食うのが先か原付に轢かれるのが先か、まさに命懸けだ。逆に言えば嘉義の「噴水」で鶏肉飯を食うということは命を賭すに値する(うそ)。
白飯を茶碗に盛りつけ、その上に蒸した火鶏を裂いたものをばらばらと載っけて、最後に鶏のダシや脂などをたっぷり含んだスープをざっと掛けまわす。これに黄色い沢庵漬けを添えて1人前40元なり。日本円で150円ですよ先生。
ご飯に何かをかけて食べる、というそれだけで少しくらい旨くなくても何だかばくばく食えてしまう丼大好き日本人な俺だが、白米にまとわりつくダシの旨さに殆ど恍惚となりながら咀嚼した覚えもないほどの速度でかっ込んでしまった(写真は友人)。七面鳥の肉は蒸した肉とは思えないほどにしっかりとした味を残していたが、おそらくこの旨さの秘密はご飯と肉とを包み込むダシ、吉野家で言うところのツユ、すなわちスープにある。
鶏肉飯を作るところを見ていたが、おばちゃんは2種類のスープをご飯に掛けていた。1つは澄んだ薄い茶色のスープで、おそらくは鶏を蒸したときに出たスープか何かだろう。もう1つは濃い茶色のスープで、おばちゃんは何度かオタマで攪拌し、その上澄みをすくって掛けた。こちらは見たところ脂や茶色い不純物が浮いている。何かを醤油ベースで煮た煮汁だろう。前者のスープが鶏の旨みのベースを作り、後者のスープがその上にコクと塩味を加味しているようだ。むろん「ニーハオ」「謝謝」しか喋れない俺(大学で第二外国語に中国語を選択)がおばちゃんに真偽のほどを確かめられるはずもなく勝手な予想だが、とにかく旨み、コク、塩味が絶妙なバランスで白飯の控えめな甘さと肉の食感に絡まるわけだ。
「噴水」で出す鶏肉飯には2種類ある。一つは「鶏絲飯」。何も言わずに「鶏肉飯」と注文すればこれが出てくる。もう一つが「鶏片飯」。こちらの方が10元だか20元だか高い。鶏「片」飯は蒸し裂いた七面鳥の代わりに、皮つきの七面鳥肉をスライスした切り身が載っかっている。これはこれでまあまずくはないが、俺としてはやはりほろほろとほぐれる肉にじんわりとダシが絡まる鶏「絲」飯に軍配を上げたい。
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コメント
うまそうだよお
くあ~っ、台湾に行きたくなりました。
蛇足さんはうまいものをうまそうに書くのが得意ですね。「うまい」の一言をこんなに引き延ばして書けるのはすごい。楽しませていただきましたぁ