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15秒間

2006年10月30日03:59/コメント (58) /トラックバック (0)

まだ空は重い。水戸駅で乗り換えて鹿島に向かうローカル線の車窓から空を眺めると、雲の動きが速い。

時折思い出したように横殴りの雨が車窓を叩く。船を転覆させた低気圧の影響が残っているのだろう。空の様子が騒がしい。

昨晩、携帯電話が鳴った。取り上げて画面を見ると、弟からだった。珍しいこともあるものだと出てみると、疲れ切った声で事故のことを教えてくれた。電話を切ると、電話機の画面に「着信23件」と表示されていることに気づいた。

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間に合わない校正

2005年12月07日22:44/コメント (4) /トラックバック (0)

古本屋でもないのに古書の匂いがする。いや古びた紙の匂いというよりも、むしろ日なたの匂いと言った方が正確かも知れない。私の背より高い本棚に、ぎっしりと並んでいる書物の背表紙をざっと眺めてみても何の脈絡も見あたらない。解剖学の専門書の横に岩波文庫があり、その横には怪獣大百科がある。本の高さもまちまちで、グラビアタレントの写真集などは無造作にいくつかの本の上に寝かせておいてある。

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ROCKIN'ON JAPAN文体

2005年11月25日00:00/コメント (6) /トラックバック (0)

結局のところザ・ケムンパスの音楽を聴けていなかったのだ、というのが最新アルバム「ウナギイヌ」をCDプレーヤーに放り込んでしばらくリピートして聴いたあとに得られた結論だった。このアルバムはザ・ケムンパスにとってもちろん新境地ではあったが、同時に彼らがデビュー以来積み重ねてきた音と言葉との集大成でもある。断言してしまうが、ザ・ケムンパスはこのアルバムを出すために結成されたバンドなのだ。それほどまでにこのアルバムは、ザ・ケムンパスにとって大きな意味を持っている。

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定年退職の日(2)

2005年03月22日16:11/コメント (4) /トラックバック (0)

(「定年退職の日(1)」の続き)

神田はそれに答えられずに「あ、ああ」と呟きながら、慌ててポケットに手を突っ込み、ごそごそと何かを探す振りをした。ポケットの中にはコンビニで受け取ったレシートがの中に小銭が数枚入っていて、指先に冷たかった。

「何を探しているの?」

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定年退職の日(1)

2005年01月19日17:44/コメント (3) /トラックバック (0)

午後九時過ぎ。自宅まで続く長く急峻な坂道を、神田昌男(仮名)は60回目の誕生日を迎えたその日も、いつもと変わらぬ足取りで登った。

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「ノミの未来」を拝読して

2004年12月14日12:41/コメント (2) /トラックバック (0)

かつてアルバイトで文芸誌の編集をやっていたことがある。しばしその記憶を呼び起こし、文芸誌編集者に舞い戻って、大学時代の後輩おやぎ君がものした最新作「ノミの未来」の原稿を受け取ってみよう。「嗚呼 青春文学館」オープン(リニューアル)へのお祝いということで。

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靴下

2004年11月26日16:27/コメント (16) /トラックバック (1)

外からは蝉の声。それを打ち消すように、風呂場からシャワーの音がする。洗面台に立つと、曇りガラスの向こうに兄の裸体が霞んで見える。また換気扇を廻し忘れたのだろう。引き戸から漂い出る湯気に、差し込む夏の西日が光の筋を作る。

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ゆらゆらばあさん

2004年11月14日23:08/コメント (6) /トラックバック (0)

また、“ゆらゆらばあさん”がいる――。

神奈川県Y駅のT線ホームで、毎朝、通勤客で混雑する乗客を電車に詰め込むアルバイトを続ける私立大学生のN君(21歳)が、2004年10月X日の午前8時20分過ぎ、T線上りホームでその老婆を見つけた時の感想というのは「またか」という程度であった。

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戦前には海軍工廠が置かれ、重工業技術が集積した町「呉」。戦艦大和を生み出した“企業城下町”の痕跡を訪ねて歩く。(2006年5月25日連載開始)
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